青谷高校にて、高校生が漁業の現状や課題について学びました!
情報解禁日時:2023年07月05日 09時40分
鳥取ブルーカーボンプロジェクト「豊かな海の再生を目指して」実行委員会(委員長:鳥取県漁業協同組合 代表理事専務 大磯一清)では、令和4年度より青谷高校において行われている学習カリキュラム「青谷学」で「鳥取県の漁業」の課題に取り組む2、3年生を対象に「ウニに触れ、ウニを学び、海について考える」ウニ授業プログラムを行うとともに、「青谷学」において高校生自身が自発的に取り組むウニ学習を支援してきました。
今年度の「青谷学Ⅰ」では、青谷高校の2年生が青谷町の魚である「アゴ(トビウオ)」をとおして漁業の現状や課題について学習し、藻場をはじめとする海の大切さを学びました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
公式サイト http://tottori-bluecarbon.jp/
イベント概要
・開催概要:漁業の現状や課題について学習する授業プログラム
・日程:2023年6月21日(水)
・開催場所:鳥取県立青谷高等学校
・参加人数:14名
・協力団体:鳥取県立青谷高等学校
地元、青谷地区の漁業がピンチ!
これは全国的に言えることですが、漁業者の高齢化と後継者不足が進んでいます。鳥取県もそれは例外ではありません。高校生の地元である青谷地区の漁業者は、年々減少しており、2023年時点では23人となっています。特に、トビウオを漁獲する「とびうおまき網」に取り組む漁業者は減っており、現在は青谷地区と浜村地区でのみ取り組まれている状況となっています。
青谷町の魚「トビウオ」と藻場の関わり
今、鳥取県の沿岸一帯では、ムラサキウニが大量に発生し、鳥取の海はウニでいっぱいです。大量発生しているウニは身が瘦せており、水産物として利用しにくい一方、海藻を食べるため、「藻場(もば)」が急速に衰退し、全国的にも問題になっている、“磯焼け”(沿岸の岩場から海藻がなくなってしまうこと)という現象に近づいています。
藻場と関わりが深い水産物として、アワビやサザエが良く例としてあげられますが、実は山陰地方で「あご」と呼ばれ親しまれている「トビウオ」は、夏から秋になると、沿岸付近の藻が生い茂っている所(藻場)に卵を産み付けます。つまり、藻場が減ってしまうとトビウオが減ってしまうかもしれないのです。
今回の授業プログラムでは、トビウオを知ることを通して、漁業の現状や課題について学習し、藻場をはじめとする海の大切さを学びました。
体の仕組みや生態、飛行距離について、はたまた、鳥取県の名物のひとつである「アゴちくわ」の試食など…様々な角度からトビウオについて説明される古田さんの話に生徒達は興味津々に耳を傾けていました。古田さんがトビウオは一度に200mも飛ぶことが出来るという話をすると、生徒達は驚くとともに、どういう仕組みでそんなに飛ぶことが出来るのか?見てみたい!どこで見ることが出来るのか?など興味を持って古田さんに質問していました。
「アゴちくわ」の試食では、「1本のちくわに「あご」=トビウオが3匹も使われているなんてすごい。知っているちくわとは別のもの。すごく魚!って感じの味。初めて食べたけど、美味しい!」といった感想があがりました。中には「アゴちくわを守るためにも藻場を守らないといけない。」という意見もあり、トビウオと藻場の関りについて学ぶことが出来たようでした。
また、前日に先輩である3年生が藻場を守るため地元の漁業者が取り組んでいるウニの駆除実験を体験したという話を聞き、身近な事として海の問題解決に向けた取り組みを知ることが出来たようでした。
今後は秋頃に藻場と関わりのある魚を使った調理体験を予定しています。生徒さん達に海のことについて関心を持ってもらえるよう、今後も鳥取ブルーカーボンプロジェクト「豊かな海の再生を目指して」実行委員会として引き続きサポートを行ってまいります。
参加した生徒・先生からの声
地元青谷町の漁業の実態、トビウオと藻場の関わり、トビウオからできている「あごちくわ」の美味しさを体験した生徒からは、「この授業を受けて海への関心がとても高まった」という声が多数あがりました。
また、授業を見学された先生からは、「漁業の課題や環境問題という難しい話題にも関わらず、トビウオやウニ等の身近な事柄を切り口に、様々な角度からのお話を聞くことができ、私も生徒も楽しく学ぶことが出来ました。」とお礼の言葉をいただくことが出来ました。
<団体概要>
団体名称 :鳥取ブルーカーボンプロジェクト「豊かな海の再生を目指して」実行委員会
(公益財団法人 鳥取県栽培漁業協会)
URL:http://tottori-bluecarbon.jp/
活動内容:鳥取県漁業協同組合、鳥取県、農林中央金庫らが官民一体となり、藻場の衰退の要因となっているムラサキウニの商品化をモデルケースとした海の豊かさの啓発等により、地域と共に鳥取の豊かな海を取り戻すことを目的に活動。
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
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