ウニを食べて海を守ろう!ムラサキウニを用いた新食材「うの花ウニ」完成!「とっとりうの花ウニまつり」に合わせて小学校で試食体験を開催!
情報解禁日時:2023年03月15日 10時31分
鳥取ブルーカーボンプロジェクト「豊かな海の再生を目指して」実行委員会(一般社団法人海と食文化フォーラム)では、藻場衰退の要因となっているムラサキウニの利活用を図ることを目的に、ムラサキウニをベースにした新たな食材「うの花ウニ」を開発しました。
今回は「うの花ウニ」の開発に伴い、当プロジェクトの趣旨に賛同いただいた鳥取市内の飲食店でこの食材を使用したオリジナルメニューを数量限定で提供する「とっとりうの花ウニまつり」を2月27日から開催することに合わせて、7月にウニ授業を行った泊小学校において「うの花ウニメニュー」の試食を含めた授業を行いました。
なお、この取組みは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
- イベント概要
・開催概要:泊小学校5年生へのウニ授業及び「うの花ウニメニュー」の試食体験
・日程 :2023年2月27日(月)
・開催場所:鳥取県東伯郡湯梨浜町 湯梨浜町立泊小学校
・参加人数:16名
・協力団体:湯梨浜町立泊小学校
- 「うの花ウニメニュー」を小学生に味わっていただくため、フレンチシェフが奮闘!
今、鳥取の海ではムラサキウニが大量に発生し、海藻を食べ尽くすという問題が起きています。海藻が生い茂る場所「藻場(もば)」は魚のすみかであり、二酸化炭素の吸収源でもある、海にとって大切な存在です。
このような背景から、ムラサキウニを美味しく食べて海の現状を知ってもらうため、「ウニを食べて海を守ろう!」として2月27日から3月5日(日)までの1週間、鳥取市内の飲食店17店舗で「磯焼け」が進む場所で採って養殖したウニを味わってもらう「とっとりうの花ウニまつり」を開催することになりました。
「とっとりうの花ウニまつり」の開催に当たり、ウニを使った新食材「とっとりうの花ウニ」を開発しました。「とっとりうの花ウニ」は、大量発生し、藻場衰退の要因の一つとなっているムラサキウニに、同じく海で長年邪魔者扱いされてきた鳥取県産の海藻「アカモク」、そして有効活用しきれていない鳥取市内の豆乳メーカーの「うの花(おから)」の3つを混ぜ合わせて、食感と量、風味をアップさせたものです。「とっとりうの花ウニまつり」ではこの「うの花ウニ」を使ったメニューを17の飲食店の方に考えてもらいました。
全店で共通していることとして、丸型の料理にし、形でもウニを表現しています。どのメニューも、美味しく楽しく食べて、笑顔になってもらい、みんなで藻場を再生していこう、豊かな海を守っていこうという思いが込められています。
この「うの花ウニメニュー」をいち早く子どもたちに届けようと、「とっとりうの花ウニまつり」の開催に合わせて、7月にウニ授業を行った泊小学校において「うの花ウニメニュー」の試食を含めた授業を行うことにしました。
試食用の「うの花ウニメニュー」は、5月からの「ムラサキウニを利用したメニュー開発検討会」にも参加いただいていた鳥取市内のフランス料理店「ムッシュたけぞう」の平尾武彦オーナーにお願いし、チーズと生クリームを加え、キッシュ生地で焼き上げたフランス料理「うの花ウニのクリーミーココット焼き」を調理いただきました。
平尾オーナーは、前日から定休日にも関わらず、「子どもたちに喜んでもらえるように」と試作を重ね、当日は朝からオーブンで焼き上げ、準備してくださいました。オーブンを開けると、ふんわりと膨らんだココット焼きが焼き上がり、店内は瞬く間においしそうな匂いで満たされました。昼前、まだ温かみの残るココット焼きを車に積み込み、泊小学校へ出発です!
- 小学生からは、「おいしい」「おかわり」の大合唱!
小学校に到着し、授業の準備をしている間もココット焼きからはいい匂いが漂い、子どもたちは「おいしそう!」「早く食べたい!」と興味深々です。
授業では当プロジェクトの古田事務局長より、地元の海に大量発生したムラサキウニのことを知り、できることを考えた7月の授業のおさらいをしたあと、ウニの駆除や蓄養試験、メニュー開発等、その後の当プロジェクトの活動経過を紹介し、子どもたちも待ちに待ったメニュー開発で生まれた「うの花ウニ」のオリジナルメニューの試食体験を行いました。
古田事務局長より、「ただ食べてもらうだけではありませんよ。7月の授業でも皆さんからたくさんの質問をもらってとてもうれしかったから、今日もぜひ、率直な感想、意見をお願いね。」の説明に、子どもたちの表情も引き締まりました。
「いただきます!」の挨拶のあと、恐る恐る「うの花ウニのクリーミーココット焼」にスプーンを入れる子どもたち。口に入れた途端、子どもたちの顔が一変!みな、満面の笑顔で食べ進めていきます。
「昔に比べ、藻場がなくなっていっていることは、実感としてあったので、海を守るためにできることをしたいと思った」と鳥取市内の「ムッシュたけぞう」の平尾オーナー。子どもたちが試食している間、オンラインで「うの花ウニのクリーミーココット焼」や鳥取の海への思いをお話しいただきました。
- 参加した生徒・支援者からの声
「うの花ウニのクリーミーココット焼き」を食べた子どもたちからは、「クリーミィーでおいしく、ウニは苦手だったけど、これなら食べられる。まだまだ食べたい。」「まろやかさとかコクがあり、とてもおいしかった。」等、大好評で、給食後の5時間目だったにも関わらず全員が完食!授業後には、「おかわりはないの?」の大合唱でした。また、「自分たちでもウニを育ててみたい。」「自分でも料理を考えて作り、みんなに食べて欲しい。」「ウニのキャラクターを作ればみんなに知ってもらえるのでは。」「ウニのおもちゃを作れば保育園の子も喜ぶのでは。」「ウニのことについてもっと知ったり、泊の海をもっと大事に守っていきたいと思った。」等、今回学習したウニのこと、海のことについて、自分たちでやりたいこと、人に伝えていくことについて、絶え間なくアイディアが披露されました。
校長先生からは、「当校は自校給食なので、給食担当も、オリジナルの「うの花ウニメニュー」に取組みたいと思うので、来年度、ぜひ。」と来年度につながるお話をいただきました。
「とっとりうの花ウニまつり」はまずは1週間だけの開催ですが、来年度以降も、飲食店で「とっとりうの花ウニ」の料理を引き続き多くの人に食べてもらう機会をつくるなどして、ウニを鳥取の新名物として育てていく予定であり、来年度に向けた新しい可能性が広がる授業になりました。
<団体概要>
団体名称 :鳥取ブルーカーボンプロジェクト「豊かな海の再生を目指して」実行委員会
(一般社団法人海と食文化フォーラム)
URL :https://tottori-bluecarbon.jp/
活動内容:⿃取県漁業協同組合、⿃取県、農林中央金庫らが官⺠⼀体となり、藻場の衰退の要因となっているムラサキウニの商品化をモデルケースとした海の豊かさの啓発等により、地域と共に⿃取の豊かな海を取り戻すことを⽬的に活動。
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/
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