身近な海の問題を知ろう!ウニに触れ、ウニを学び、海について考えるウニ授業プログラムを始動しました!
情報解禁日時:2022年06月20日 20時44分
鳥取ブルーカーボンプロジェクト「豊かな海の再生を目指して」実行委員会(一般社団法人海と食文化フォーラム)は、5月24日(火)に、海で起きている様々な問題を学ぶことで、一人ひとりに何ができるか考え、より多くの人に行動を起こしてもらえるよう海の魅力や問題を伝えることを目的として、鳥取県立青谷高校の授業「青谷学」にて鳥取県の漁業の課題研究を行う生徒へのウニ授業プログラムを始動いたしました。
このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
- イベント概要
・開催概要:ウニに触れ、ウニを学び、海について考えるウニ授業プログラム
・日程 :2022年5月24日(火)
・開催場所:鳥取県鳥取市青谷町青谷 鳥取県立青谷高等学校
・参加人数:6名
・協力団体:鳥取県立青谷高等学校
- 今、鳥取の海には、ウニがいっぱい…
今、鳥取県の沿岸一帯では、ムラサキウニが大量に発生し、鳥取の海はウニでいっぱいです。大量発生しているウニは身が瘦せており、水産物として利用しにくい一方、海藻を食べるため、「藻場(もば)」が急速に衰退し、全国的にも問題になっている、“磯焼け”(沿岸の岩場から海藻がなくなってしまうこと)という現象に近づいています。鳥取県の漁業者からは、「餌となる海藻がないためアワビの生長が悪くなっている」、「ウニが増え、サザエやアワビの生息場所にまでウニが進出してきている」、「サザエの赤ちゃんの生育場にウニが増え、サザエが育たない」といった声が聞かれるようになり、非常に困っています。
ウニの問題を切り口として、より多くの人に海の魅力や今起こっている身近な海の問題について考え、伝え、行動していく仲間をつくる為、鳥取県立青谷高校で本プログラムを始動しました。
- 実物のウニに戸惑っていた生徒も、すっかりウニのとりこ!
ウニ授業プログラムには、鳥取県立青谷高校が実施している、地域の魅力を発見し、地域の資源を再発見する授業「青谷学」で、課題として「鳥取県の漁業」を選び、「ウニの飼育」をテーマに決めて活動している同校の3年生6名が参加しました。
当実行委員会 古田事務局長(鳥取県漁業協同組合職員)は、「鳥取県の漁業では、漁獲量や漁業者の減少などたくさんの問題があるけど、大量発生したムラサキウニで、鳥取県の藻場の多くも減ってしまっているんだ。」、「藻場は、魚や貝の餌や魚の産卵場、魚の赤ちゃんの生育場となっているほか、水質の浄化や二酸化炭素の吸収(ブルーカーボン)等の役割も担い、海洋環境、地球環境にも大事な機能を持っているんだよ。」、「このままでは、藻場の機能が失われ、鳥取の豊かな海が維持できなくなるかもしれないから、ムラサキウニの対策を中心に鳥取の海に海藻を取り戻していく取組みを始めたんだ」と話しました。
難しそうな話に、最初は表情も硬かった生徒たちですが、ムラサキウニ、バフンウニ、アカウニが登場すると、表情は一変!実際に自分たちの手元にやってくると、「臭い…」と顔をそむけたり、こわごわと遠目に見る様子もありましたが、針をもぞもぞ動かすユーモラスなウニに次第に手が伸び、「左右でとげの長さが違うのはなぜ?」「手の上で動いている!」「とげの間から出てくる糸のようなものは何?」など、夢中で観察していました。ウニを一旦水に戻し、講義を再開。古田事務局長からの「ウニのおしりはどこだろう?」という問いかけにも、観察したウニを思い出しながら、積極的に自分の考えを発言する生徒たち。授業の最後には、今日の授業で学んだ内容と自ら考え設定したテーマとを結び付け、「ウニはどのくらい飼育すればよいのか」、「ウニはそのままでも食べることはできるのか」、「ウニを水槽で飼うときに小石は入れた方がよいのか」等、今後の展開に向け、より実践的な意見交換がなされました。
- 参加した生徒・先生からの声
ウニの体の構造や生態のみならず、ウニの誕生の歴史やウニの寿命まで幅広く学んだ生徒からは、「ウニについて深く考えたことがなかったので、色々知れてよかった」といった声のほか、「ウニを獲る体験をしてみたい」、「ウニを飼育してみたい」、「ウニを使った料理を作り、食べたい」といった意欲的な声が寄せられました。授業を見学された先生からは、「ぜひ3年生のみならず、1年生、2年生にも」、「ウニから海全般について考えられる良いプログラムですね!」等の提案をいただき、今後の活動の広がりが期待されました。
<団体概要>
団体名称 :鳥取ブルーカーボンプロジェクト「豊かな海の再生を目指して」実行委員会
(一般社団法人海と食文化フォーラム)
活動内容:⿃取県漁業協同組合、⿃取県、農林中央金庫らが官⺠⼀体となり、藻場の衰退の要因となっているムラサキウニの商品化をモデルケースとした海の豊かさの啓発等により、地域と共に⿃取の豊かな海を取り戻すことを⽬的に活動。
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/
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海のごちそう地域モデルin鳥取(海と日本2023) | |
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