【イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2021】Vol.3 「新入社員(Z世代)×コロナ禍」の実態からみる強いチームづくり 成長循環サイクルを回すことで「しこう(志向・思考・試行)」の格差やチーム力
情報解禁日時:2021年12月09日 14時20分
株式会社日本能率協会マネジメントセンター(代表取締役社長:張士洛、東京都中央区、以下JMAM[ジェイマム])は、2020~2021年に入社した新入社員と、新入社員の育成に関わる上司・先輩社員の計2,068名に対し、新入社員の意識と行動、指導者の指導と育成に関するアンケート調査「イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2021」を実施しました。今回は、2021年調査結果からみる「調査結果で見えたイマドキの新入社員・若手社員の成長課題」について一部抜粋してお知らせします。なお、本調査リリースは4回に分けて配信いたします。今回は第3回目となります。 調査結果から、新入社員(Z世代)の特徴やコロナ禍による働き方の変化などの影響で、「入社後の職業キャリアが描けなくなっている(2020年調査より+4.6%)」、「コミュニケーションストレスは上昇傾向(2019年調査より+12.7%)」、「挑戦よりも無理ない範囲で業務に取り組みたい(新入社員の54.4%がYesと回答)」などの実態が明らかになりました。 これは新入社員が成長していくために必要な成長循環サイクル(目的・目標設定→周囲のサポート→実践的な経験→振り返り)が回りづらくなっている状況といえます。この状態が進行することで、成長に必要な3つの「しこう(志向・思考・試行)」の格差やチームで成果を上げる3つの行動原理(Goal Holding、Task Working、Feedbacking)も機能しにくくなり、チーム力の低下を招くことも考えられます。この状況を乗り越えるためにも、成長循環サイクルを回し、成長していくための仕組みづくりが重要といえます。 ※画像1参照 <調査概要> 調査方法: インターネット調査 調査時期: 2021年6月 調査地域: 全国 有効回答: 2,068名。2020~2021年に入社した新入社員1,020名、新入社員の育成に関わる上司・先輩社員1,048名 (新入社員は、例年比較のため企業規模501名以上の大卒の686名に母数を絞って集計) 調査結果(一部抜粋) ■新入社員(Z世代)の成長支援で起こっている実態 人が自律的に成長していくためは成長循環サイクル(目的・目標設定→周囲のサポート→実践的な経験→振り返り)を回し続けることが重要となります。しかし、本調査結果からテレワーク(在宅勤務)などの普及により、新入社員の「組織社会化(※)」の遅れ、職場での関係性の希薄さや指導のしづらさの増加、そして新入社員(Z世代)の特徴である「挑戦よりも失敗しない傾向」や「ストレス耐性の低下」などの課題が重なり、個人やチームが強くなるために必要なサイクルが回りづらくなっていることがわかりました。 ※「組織社会化」とは、新しく組織に加わったメンバーが必要な意識・知識・技術などを獲得し、組織に適応していくプロセスのこと ※画像2参照 【キャリア形成のゆらぎ】 今の会社で成長したいという気持ちが高まる一方で、配属後すぐに職業キャリアが描けなくなっている ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 2021年入社の新入社員は、ここ数年の新入社員と比べても「今の会社の事業に関わるなかで、成長していきたい」という気持ちが高いことがわかりました。一方で、テレワークの普及も影響し1人仕事が増えた影響か、感情処理に関する課題の増加や業務経験を通じたキャリア形成が描けなくなっていることも明らかになりました。 ※画像3参照 【「働く」への価値観変化】 柔軟な働き方を求める一方で、自分自身の成長は「挑戦よりも、無理ない範囲で取り組む」傾向が上昇 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 「働き方」に関しては、時間・場所・契約にしばられない、柔軟かつ多様な働き方を求める一方で、自分自身の成長は「挑戦よりも、無理ない範囲で取り組む」傾向が上昇しており(2020年調査より+2.7%)、自分らしさを大切に、無理なく、「働くこと」と適度な距離感を保って成長したい傾向がうかがえます。 ※画像4参照 【職場での関係性の希薄】 テレワーク(在宅勤務)普及以降、新人・若手社員のコミュニケーションストレスは上昇傾向 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 本調査では新入社員、指導者側いずれも40%程度が「テレワーク(在宅勤務)中心の勤務」と回答する結果となりました。その影響もあり、コミュニケーションがとりづらいために生じるストレスはコロナ禍以降増加傾向にあります(2019年調査より+12.7%)。上司・先輩への相談のしづらさは減少傾向にあるものの、依然として、半数以上は「相談がしにくい」と回答しており、職場関係性の希薄さを解消していくことは課題といえます。 ※画像5参照 【指導のしづらさが増加】 テレワーク(在宅勤務)普及以降、新入社員・若手社員(以下新人・若手)の指導はしにくくなり、成長実感も下降傾向 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 指導者の半数以上がテレワーク(在宅勤務)普及以降、「新人・若手以降の指導はしにくくなった」と回答しています。2020年と比べればその数値は減少しているものの、指導者側の環境適応や新入社員へのケアなど負荷が増していることも影響してか、指導・育成を通じた指導者自身の成長実感が年々減少していること(2019年調査より-4.6%)も特徴といえます。 ※画像6参照 【挑戦よりも失敗しない傾向の強さ】 「意識」と「行動」のギャップが大きく、自走に少し時間がかかる新入社員が増えている ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 新入社員の70%以上が「失敗から学ぶことは多いので、恐れずに取り組むことが大切である」と回答する一方で、「失敗したくないので、責任ある大きな仕事は任されたくない」と思っており、この傾向は年々上昇傾向にあります(2019年調査より+8.9%)。この結果は「意識」と「行動」のギャップが大きく、自走に少し時間がかかる新入社員が増えているともいえるため、小さな成功体験を積み重ねながら1歩ずつ成長していく支援や気構えが指導者側に求められているといえます。 ※画像7参照 【実務経験量や成長速度の低下】 無理ない範囲で業務に取り組み、仕事で行き詰ったときも上司・先輩から働きかけて欲しい ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- テレワーク(在宅勤務)などの普及により、入社早々に1人仕事を求められている新入社員もいる中で、彼らの成長意欲としては「無理ない範囲」「仕事に行き詰っている状況は上司・先輩が察して話しかけてもらいたい」というスタンスが半数以上であることがわかりました。また働き方改革が進む中、指導者側も「成長につながる仕事であっても、残業をしないことを優先して業務を減らしている(52.2%がYes)」と回答しており、必然的に業務経験を通じて成長をしていく量や速度に変化が生じていることがわかりました。 ※画像8参照 【ストレス耐性や文章力の低下による「内省力」「回復力(レジリエンス)」などの停滞】 指導者も人事担当者も、新入社員の「打たれ弱さ」などは育成課題と実感している ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 減少傾向ではあるものの、指導者の59.4%はここ数年の新入社員は「打たれ弱い」と感じています。それを踏まえ、人事部門への期待として高くなっているのは、配属前までに「打たれ強さ」「計画、段取りの仕方」などの強化策の実施です。この傾向は、実際に新入社員の育成を担当している人事・教育担当者へのアンケートでも同様の結果が出ています。 ※画像9参照 【総括】「しこう(志向・思考・試行)」の格差を広げず、チーム全体で成長循環サイクルを回す 環境変化に柔軟な対応をしていくためにも、これからはビジネスパーソン1人ひとりが日々のプロセスから学びを深め、自律的に成長しながら期待される行動(アウトプット)を実現することが求められます。一方で、コロナ禍において働く場所や時間の自由度が増す中、学生から社会人への移行(トランジション)が進まず、組織適応課題が増していることも事実です。この課題を解決するためにも、3つの「しこう(志向・思考・試行)」とチームの行動原理を高め、自律的な成長循環サイクルを回し続けることが求められているといえます。 ※画像10参照
関連資料
送信エラーが発生しました
画面を読み込み直してください
株式会社日本能率協会マネジメントセンターのプレスリリース
-
福井県吉田郡永平寺町だからこそ体験できる 『ラーニングワーケーション』のプログラムを開発 禅で心を磨き、リーダーシップの素養を磨く
2022年05月12日 11時12分
-
鳥取市とJMAM ワーケーション推進に向けた包括連携協定を締結 持続可能な「まちづくり」を通じ「サステナブルな自分」をつくる 『ラーニングワーケーション』モニター開催
2022年04月14日 19時03分
-
地球環境にやさしい素材を採用 『NOLTY notebook』シリーズに 環境配慮型新素材【LIMEX(ライメックス)Sheet】を採用した 新アイテム登場
2022年04月08日 19時47分
-
手帳ブランド『NOLTY』『PAGEM』協賛 全国書店員が“いちばん売りたい本”を投票で選ぶ「2022年本屋大賞」 今年の大賞は逢坂 冬馬氏の『同志少女よ、敵を撃て』に
2022年04月08日 19時09分
-
OECD・東京学芸大学共催 教育の未来を考えるオンラインワークショップ 「さんかく(三角・参画)で共に創り奏でるコレクティブインパクト」参加者と 『時間〈とき〉をカケルTECHŌ』プロジェクトを開始
2022年03月25日 15時42分
-
働く環境の変化を上手に活用した新入社員の成長支援とマネジメントのあり方 リモート時代に広がる「ひそかな成長格差」とどう向き合うか イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2021ダイジェスト
2022年03月17日 19時15分
-
手帳ユーザーのためのコミュニティサイト『時間〈とき〉ラボ』主催 四季を楽しみながら時間〈とき〉をデザインする 『金麦ときラボ部』発足! 2022年4月8日(金)開催 第1回 オンラインイベント参加「部
2022年03月09日 12時34分
-
NTT東日本(神奈川事業部),一般社団法人KAKEHASHI, JMAMが 横須賀で農業・漁業の課題解決に挑む 「食の循環がわかる街」横須賀の農業・漁業を取り巻く課題を解決するプロジェクト
2022年02月10日 00時00分
-
おかげさまで30周年! 『PAGEMシリーズ』 2022年4月始まり手帳発売
2022年02月01日 12時17分
-
春の新生活シーズンの新商品 『NOLTY』シリーズ 2022年4月始まり手帳・カレンダー発売
2022年02月01日 12時09分
-
【イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2021】Vol.4 リモート時代の新入・若手社員の育成と強いチームをつくる3つの法則
2022年01月26日 10時37分
-
大人だってワクワクしながら成長したい! 人気アニメ『ドラゴンボール』と 『NOLTY』とのコラボ手帳が遂に登場 日々のPDCAを回して、悟空たちとともに自分だけの物語をつくろう
2022年01月19日 11時42分
-
12月1日は「手帳の日」! コミュニティサイト『時間〈とき〉ラボ』をオープン ワークショップ型オープニングイベントも開催
2021年11月29日 00時00分
-
【イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2021】Vol.2 リモート時代の新入社員(Z世代)が抱える成長課題と不安 若手社員に共通する「組織社会化」の滞りをいかに解決していくかが鍵
2021年11月11日 13時31分
-
【イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2021】 ハイブリッドな勤務を求めるZ世代の働く価値観を徹底分解 ニューノーマル新入社員の求める働き方と環境の変化
2021年10月27日 14時59分
-
多様化時代の最強チームのつくり方を学ぶ ≪チームワーキング研修リリース≫ 立教大学 中原 淳教授・田中 聡助教との共同開発
2021年10月19日 12時05分
-
≪オンラインセミナー開催のご案内≫ 「Learning For All と考えるSDGs時代の人材育成」 2021年10月22日(金)14時~16時
2021年10月11日 14時22分
-
手帳ユーザーのためのコミュニティサイト『時間〈とき〉ラボ』 新規メンバー登録キャンペーン実施中
2021年09月02日 22時18分
-
おかげさまで30周年! 『PAGEMシリーズ』 2022年1月始まり手帳販売
2021年09月02日 22時09分
-
仕事に役立つ手帳No.1* 『NOLTY』2022年版手帳 発売
2021年09月02日 21時56分
-
【ご取材案内】国内大手企業8社12名が参加し、和歌山県田辺市の企業と地域課題に取り組むラーニングワーケーション事業 「ことこらぼオンライン」の成果発表会
2021年08月30日 23時26分
-
評価上手は育成上手!ポイントは部下を評価するときの「クセ」 管理職向けeラーニング マネジメント・ビュッフェに評価傾向診断が追加
2021年08月30日 23時16分
-
日本の人事部「HRアワード2021」 書籍『心理的安全性のつくりかた』書籍部門入賞
2021年08月30日 15時35分
株式会社日本能率協会マネジメントセンター | |
所在地 | 東京都中央区日本橋2-7-1東京日本橋タワー |
代表者 | 張 士洛 |
設立 | 1991年8月8日(営業開始日1991年10月1日) |
資本金 | 10億円 |
従業員数 | 連結 537名(単体 407名) ※2020年6月時点 |
リンク | https://www.jmam.co.jp/ |